相続手続きに必要な戸籍の集め方

銀行口座の解約や不動産の相続のなどの相続手続きには亡くなった方の戸籍が必要になります。

誰のどの範囲の戸籍が必要なのか?戸籍の請求の方法は?

行政書士の資格を持つ筆者が必要な戸籍の集め方を簡単に解説!

 

相続手続きに必要な戸籍

相続手続きに戸籍が必要な主な理由は、誰が相続人か確かめるためです。

そこで、どの戸籍をどの範囲集めれば良いのか。

基本的に以下の2種類の戸籍が必要になります。

 

・亡くなった方の出生~死亡までの戸籍

・相続人の現在戸籍

 

これらの戸籍の収集方法は後程ご紹介します。

基本的には上記の戸籍で事足りるのですが

以下の場合、追加で取得しなければならない戸籍があります。

 

代襲相続の場合に必要な戸籍

代襲相続とは、亡くなって相続の対象となっている人物(被相続人といいます)より前に相続人が亡くなっている場合に、

その相続人の子が相続することを言います。

例えば、父・母・息子・娘の4人家族があります。

父が亡くなり相続が発生しました。

相続人は母・息子・娘ですが、父が亡くなる前に息子が亡くなっていました。

そして、その息子には子Aがいました。(父から見ると孫)

この場合、相続人は母・娘・息子の子Aとなります。

この場合の息子の子Aが相続人となることが代襲相続といいます。

代襲相続の場合に必要な戸籍は、

 

・父の出生~死亡までの戸籍

・母・娘・息子の子の現在戸籍

・息子の出生~死亡までの戸籍

 

息子の出生~死亡までの戸籍が必要な理由は、息子の子A以外に子供がいないか確認するためです。

もし、Aを生む前に前妻との間に子供Bがいた場合、Bも相続人になるからです。

 

兄弟姉妹相続の場合に必要な戸籍

例えば次のような家庭で相続が起こった場合を考えましょう。

夫が亡くなりました。

子はいません。

夫の父・母はすでに亡くなっています。

夫には弟Aと妹Bがいます。

この場合、相続人は妻と兄弟姉妹(A・B)になります。

兄弟姉妹相続の場合に必要な戸籍は

 

・夫の出生~死亡までの戸籍

・妻・夫の兄弟姉妹(A・B)の現在戸籍

・夫の父・母双方の出生~死亡までの戸籍

 

この場合も、なぜ夫の父・母双方の出生~死亡までの戸籍が必要かといいますと

夫の兄弟姉妹がA・B以外にいないかどうか確認するためです。

夫の父が前妻との間に子Cがいた場合

Cは母親違いの夫の兄弟姉妹になるので、相続人になります。

 

このように、相続人は他にいないということを確認するために戸籍を収集する必要があるのです。

 

本籍地と住所の違い

戸籍の収集の前に、事前知識として本籍地と住所の違いについても解説します。

戸籍は本籍地のある市区町村役場で取得することができます。

本籍地って何?

本籍とは、戸籍のある場所のことを言います。

ですので、戸籍は本籍地のある市区町村役場に請求することになります。

住所はわかるけど、
本籍地って住所と違うの?

戸籍は基本的に夫婦と子を単位として作られます。

住所は、生活の本拠地を指すもので、居住と生計をともにする世帯ごとに作られます。

本籍地は単に戸籍があるところであり、そこが生活の本拠地でなければ、

本籍地と住所が異なっている状況が生まれることになります。

 

相続手続きに必要な戸籍の取り方

それでは、相続手続きに必要な戸籍の取り方について解説していきます。

まず、亡くなった方の戸籍を取るためには亡くなった方の本籍地を知ることが必要です。

 

本籍地の調べ方

引っ越しとかして、住所が転々として
本籍地がどこかわからないんだけど?

 

本籍地を調べるのは簡単!

住んでいる市区町村役場で住民票を請求しましょう。

その際に、本籍地記載するかどうか選択できるので、記載を選ぶと本籍地が載った住民票が発行されます。

亡くなった方の本籍地は、その方が最後に住んでいた市区町村役場に住民票を請求して確認してみましょう。

 

戸籍を請求する際の添付書類

本籍地が判明したら、次は本籍地に戸籍を請求します。

直接窓口で請求する場合は、基本的に以下の書類を窓口に提出します。

 

・戸籍謄本請求書

・本人確認書類(運転免許証など)

・委任状(代理人が請求する場合)

 

郵送の場合は、基本的に以下の書類を郵送します。

 

・戸籍謄本請求書

・本人確認書類のコピー

・請求者と証明する人の身分関係が分かる証明書

・返信用封筒

・手数料(定額小為替、郵便局で購入できます)

 

どちらの場合も市区町村役場によって取り扱いが異なることがありますので

事前に請求する市区町村役場のHPを確認の上請求しましょう。

 

戸籍の請求する流れ

①亡くなった方が最後に住んでいた市区町村役場に住民票を請求して、本籍地を調べます。

②その本籍地に出生~死亡までの戸籍を請求します。

本籍地を移動させてない場合は、その本籍地で完結します。

しかし、引っ越しや結婚などで本籍地を移動させているときは

さらに移動前の本籍地に請求する必要があります。

例えば、A市で生まれて、B市に引っ越し本籍地も移し、

B市で死亡した場合の流れは以下のようになります。

 

①B市で住民票を請求→B市に本籍地があると判明

②B市に出生~死亡までの戸籍を請求→引っ越し後から死亡までの戸籍が届く

ここで、どこから戸籍を移したのかを届いた戸籍から読み解きます。

年代によって変わってきますが、戸籍事項欄を見ると分かります。

 

③引っ越し前の本籍地に出生~引っ越しまでの戸籍を請求

 

このように、間を空けずに死亡から遡りながら戸籍を請求していきます。

 

戸籍が途切れる事由

戸籍は様々な理由で、新しく作られたり、消除されたりし、途切れます。

相続手続きに必要な戸籍は、このように途切れた戸籍を隙間なく繋がるように集めなくてはなりません。

では、どのような時に戸籍が途切れるのか、主な事由を挙げてみます。

 

・結婚や離婚

・転籍(引っ越しなど)

・法律改正

・分籍(成人になって親の戸籍から抜けて新しく戸籍を作るなど)

・家督相続

 

これらの事由が発生した場合、戸籍が新しく作られたり、消除されたりしますので

これらの事由が多ければ多いほど、集める戸籍が増えます。

 

まとめ

相続手続きに必要な戸籍は、基本的に亡くなった方の出生~死亡までの戸籍と相続人の現在の戸籍になります。

戸籍は本籍地のある市区町村役場に請求でき、死亡から遡って空白期間無く戸籍を集めていくことになります。

 

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